2023年7月26日水曜日

日帰り富士山 ③標高3776mから、家に帰るまで

富士山の頂上、剣ヶ峯までやってきました。
22年ぶりの本各登山でしたが、なんだかんだ行けると自信を持てる程度には登ったので大丈夫でした
そして今思えばなんですが、低酸素症と高山病は併発する形でかかっていた気がします
前回前々回で感じていた酸欠と、それ以上の標高で感じた軽い指先の痺れ&頭痛は別で進行していましたね。
今回は症状の進行がとても遅かったので無酸素で登って自信を付けることを優先しましたが、
次回以降来ることがあるならば問答無用で酸素を使おうと思いました


というわけで日本一高い所にやってきたわけですが、実は吉田口からのお鉢巡りとしては半周くらいになります
画像の奥に小屋がいっぱいあるあそこまで戻るわけです。
距離自体は1.2km程度なので、またゆっくりと戻っていきます
絶対に標高は下なので、気も楽だしね!





というわけで11:25、お鉢巡りは時計の7時位置辺りから再スタート。
7月頭でも残雪が残っていました。まあ風が吹けば凍える程度に納得の寒さがあるんですが


巡回道は2手に分かれています。
みんなが歩く方は外回りですので、自分もそちらについていきます
というか看板を見るに内回りは通らないほうが良さそうな?


相変わらず若干の高山病+低酸素症で少しの登りも大変な上りになる中、一旦のピークを迎えました。
位置的には時計の9時、大沢崩れの真東あたりです


真西に南アルプスを眺められました。
木曽駒ヶ岳で見たときよりも明らかに下だ…おお、これは良い!!


試しに山の位置を把握しようと思いましたが割とズレてしまいました。
しかし南アルプスの山々であることは間違いありません


真正面は恐らく不動岳と合地山かな?
そこから右(北)方向に聖岳や荒川岳などが連なってきているものと思われます
北限は北岳かなぁ、さすがに甲斐駒ヶ岳までは見えていない感じですがほぼフルサイズで見えました。


いい景色を撮ったら北上を再開します。北に見える山は白山岳
さすがに余裕はないので道沿いに歩きます。


西側は主に火口付近の歩きになります。
これはこれで雄大である


お鉢巡りも時計の11時位置あたり。
白山岳の手前がいい感じに窪みになっているので、北方面を覗きながら歩いています


ここまで来ると吉田ルートの頂上は大分近づいてきました。


ちなみに一切意識しないで火口を撮影していますが、この2枚には金明水が写っています
御殿場ルート頂上にあった琵琶湖と通じるという伝説の水場、その2つ目です。
現地ではその伝説自体を知らずに歩いていましたが、写っていてよかった!
今歩いている外ルートと内ルートとの間にあるんだね。


久須志神社=吉田ルートの頂上まではあと200m、もう全体の1割しかありません
酸欠の中で登ったり下ったりは大変ですが、ようやく一周できそうです


・ミニチュア富士山
久須志神社はもう目と鼻の先という辺り、道から外れたところにミニ鳥居となにかオブジェを見つけました
鳥居に関してはもう散々見てきたので今更なんですが、オブジェは気になるので寄ってみました


小さな富士山でした。
金属で出来ていて、各名称や山脈や山々が彫られていてめっちゃ凝った作り
こんな立派なものが当たり前にポツンと置かれている辺り、富士信仰というものの深さがまた垣間見えました。
ちなみに鳥居はミニチュア富士山と結ぶと先程のビュースポット辺りに繋がるのであまり関係なく、
剣ヶ峯と結んで眺めると丁度よい感じでした。
つまり…富士の頂上を拝むための鳥居かな?


そんなこんなで12:01にお鉢巡り完了。
やっと帰れた…と思ったらなんと2時間7分もかかっている
山頂で渋滞&撮って回っていたとはいえこれはあまりにも遅過ぎで、
酸欠と高山病で動き回るもんじゃないという良い教訓になりました。
ひとまずまた疲れたので、近くの日本人の人らと談笑しながら再び休憩していました
山に来るほとんど人はどうして人が良いのだろうか。


12:10、下山開始。
お鉢巡りでだいぶ時間を食いましたが、これでもYAMAPのタイムより5分遅いかという位なので大丈夫
本当は下山道が有るのですが本日は通行止めなので、こちらの上り道をしばらく降りなくてはいけません
富士山登頂者、一杯います。


鳥居から雲海を眺めたら富士山山頂に別れを告げて下りスタート。
登りの人を邪魔しないことを第一にひたすら降りていきます
下りは苦手なのでまったりと。


九合目の迎久須志神社まではあっという間に思えましたが27分くらいかかっていて登りより遅くないか。


寿司職人さんみたいな格好をして九合目まで登っている人が居たので軽く人だかりになっていました。
アップは上げませんが、リュックの中身はちゃんと登山道具だったり、
持っているのもレプリカでしっかりしている方でした。
山開きならではのネタな方が見られてほっこりしながら下りを再開します


ちなみにこの下あたりで外人の人に質問されてあたふたしてました
英語で
外「頂上どこ?」
自「あーこの道をね、1曲がり2,3,4,5,6…」
外「Holy,shit...」
自「あの鳥居が目印だから(吉田ルート頂上のを指さして)、あそこまで」
外「9合目は?」
自「その1個下の鳥居」
外「オッケーありがと」
って感じで英語と言えるのかわからない英語でなんとか意思疎通をしていました

12:55、八合五勺辺りで下山道へ向かう人の流れができていたので乗っかってみます。


下山道はひたすら柔らかい赤土のような道で、雑に降りても足を傷めにくくなっています
駆け下りて行く人がいるのも納得ですが、自分はそこまでテクがないのでストック頼りでのんびり降りています


13:04、標高3370mあたりまで降りた辺りでお宿を発見。
本八合目のお宿群の裏にある感じで、実は行きで通った胸突江戸屋です
ここから先が本格的な吉田ルート下山道になってきます


下山道はひたすらつづら折りです。
本当に延々と、①.まっすぐ降りる②.曲がる③.①に戻る を繰り返します
高山病は段々とマシになってきますが下り疲れが段々と蓄積してきますので、プラマイゼロです


・八合目江戸屋(下江戸屋)
13:18、そんな感じで降り始めている所でまたお宿に着きました。標高は3280m
下山道にある小屋と見せかけてこちらは須走ルートとの交差点になっていまして、
実はさっきのつづら折りも須走ルートの一部だったりします
看板が多くて本当に丁寧な山です。全国一番を争うメジャールートとはかくあるものかと学びになります


看板通りに行っても一本須走ルートとの交差がありますので、そこを直進してからが本当の吉田ルート下山道。
まあ今時期は吉田ルートに降りる人が99%なんでそれに沿っていれば間違えないのだけどね
最後に分岐とも言えない分岐の看板を通過したら須走ルートとは完全なお別れです。


景色は最高なんですが、飽きるレベルでひたすらに歩いて曲がってを繰り返し降ります。


この景色を見ながら降りられます!
下が遠いのだけど全部つづら折りの繰り返しで向かうのかと思うと本当にげんなりする。


13:32、そんなことを思いながら降りていたら雲が一気に出てきました。
標高はまだ3160mほど、当然天気は変わりやすい
これくらいの山に登るなら快晴でもカッパが必要だと思って持ってきた理由ですね。


7分後、あっという間にガスってしまいました。
山の天気は変わりやすい、お分かりいただけましたでしょうか


そんなガスの中を降りていると標高3068mほどで七合三勺との連絡路に着きました。
とはいえ登山道方面はブル道なので、看板は一方向にしかないです


13:43頃、ガスが抜けてきました。


その1分後です。
7分でガスってその6分後に抜けてしまう、山の天気ってそういうもんだ。


再び快晴の中を降りていきます。
最高は最高ですけどまーだ六合目見えなそうですかねえ…


あまりに暇だったので目についた山の上の建物を眺めていましたが、
あれ手前は多分大涌谷、建物は箱根駒ヶ岳ロープウェー頂上駅だ。


標高は2750m辺りまで降りています。
ここまで来ると流石に指の痺れは完治していますが頭痛は違う原因で続いています(疲労)
雲と平行な斜面は大変綺麗です。


・七合目公衆トイレ
延々と降りて曲がってを繰り返して14:24、ついに横に抜ける道にたどり着いたぞ…
久しぶりのトイレですが小銭がないので使ってみるテストはできませんでした
みんな富士山に来るときは死ぬほど小銭持っておいて損はないぞ!


実は曲がるたびに番号が増えていた柱でしたが、54番でつづら折りは完全終了です。
いやぁ長かった…んですが意外とまだ五合目は遠いんじゃ
連続でシェルターをくぐりながら西に西にと降りていきます


一瞬うねっと曲がりますが基本はゆるく下り続けます
永遠かと思えたつづら折りを越えた民にとってはもはや駆け下りられる道ですが、
標高が下がって日差しが強く汗ばむ陽気になってきて疲労も溜まっているのでそう走ったりは出来ません


七合目公衆トイレ~六合目の中間辺りに看板がありました。
このあたりに来ると標高は2450m位、2600mを余裕で下回っているので森林限界に帰ってきています。


それでもまだまだ良い景色の中を降りているといよいよ六合目近くに。


下を見れば整備された道が帰ってきているではありませんか。
いや、さっきまでのつづら折りの下山道もある意味完璧な整備ではあったのだけどね…


14:54、吉田口六合目です
行きはちょっと薄暗かったのに、すっかりいい天気になってまあ。


さて、あとは安全指導センターを通って下山の続きです
なんだかんだシェルターだらけって印象があるなあ七合目から下は。


大岩がゴロゴロと。
この先でようやく木陰というものに出会えたので休憩していました。
いやあずっと日差しに照らされていたよ…


この後は完全に知った道。
ちょっと感慨に耽りながらも15:09に泉ヶ滝の分岐に到着
ここまで来ればあとちょっと登り直すだけ!


最後はここに来て日差しがつよーい…
上が涼しすぎて油断していたので若干水分不足になる
行きとの比較用に風景を撮っていましたが、やはり光量がぜんぜん違うね。


お馬さんに乗っている人を見かけました。楽しそう
乗馬組合の方がいるらしくこの先にゲートを見かけました
普通に観光に来て乗ってみるのも楽しそうです。


ああ、やっと見えてきた…
なんだかんだあったけど無事に帰れそうで何よりだよ


15:24、富士スバルライン五合目に戻ってきました。
10時間20分くらいかかりましたが頂上での行列待ちを抜くとぴったり10時間
地獄のような遅さのお鉢巡りを更に考慮すると、ペース自体は順調だったと言えるでしょう
それで初めてのトラブル込みでの想定時間くらいで降りられたので、グッドオブグッドです。
歩いた距離はなんだかんだ富士スバルライン五合目の往復だけだと17.5kmくらいかな。


ちなみにこの後フジテレビの人が寄ってきてお話をしましたが、無事採用されなかったようで安心
みっちり準備して日帰り完登してきた人間に弾丸登山のことを聞かれても面白いことは言えんで。
とにかく疲れてるんだよ…!
というわけでガッツリご飯、噴火カツカレーにしました
あまりにも外人が多いものだから、呼び出しのアナウンスも英語になっていた。
自分も失礼って椅子をどかす時には英語になっていた。そういう場所なんです今の富士山は


お土産も買ってしっかり休んで、回線も安定したので家族に報告も済まし。
あとは駐車場に降りていきます
富士山を見上げると「あの山のてっぺんに上ったんだなあ…」と今更ながら達成感が湧き上がってきます


帰り道は行きと同じく2km以上あるので、なかなかに長く感じました。
いや純粋に合計22km以上って歩き疲れるからね!?
5合目まで降りましたがなんだかんだ標高はまだ2300m弱、シャクナゲっぽい葉っぱを見かけました
17:19、駐車場に着いて無事日帰り富士山の歩きは完了です。


富士スバルライン5合目ではお土産はそこそこ買ったくらいでしたが、
帰り途中に道の駅すばしりに寄ってみました。
うーん、ラインナップとしてはこっちのほうが充実していたぞというわけで色々買っていました


新東名に乗って静岡SAで休憩の図。帰りは晴れなのでずっと120km/h制限で走れた
高山で低気圧の状態でペットボトルを閉じていたら地表ではこうなりますわな
あとは富士山で拾ったゴミを捨てていました。来たときよりキレイがモットーで普通の考え
恵那山ではガラスとかを拾い木曽駒ヶ岳では袋とかを拾っていました。
そんなこんなで帰ったのは結局21時位だったと思います。
これにて完全日帰り達成ですが、やはり愛知からの山梨は遠かったなと実感する移動時間でしたなあ


日本一高い山に登ったということで箔が付いた感じですが、
富士山といえば日差しもこれまでの比にならない程にすごかったです。
手袋で保護していなかった部分はもはや中度の火傷
そこまで痛くはないのですが、1週間後には皮が剥けました。
一番保護されていないといえば頭皮で、痒いなと思ったらパリッとめくれたのはちょっとホラーでした
照り返しが弱かったので顎が焼けていなかったり、変わった日差しの高山環境でした。


お土産に買ったのはグッズとしてはキーホルダー位。
隣の木札は入山料の領収書と思ってください、でも登れたの嬉しいからね!
612枚の写真たちが自分にとっては一番のお土産なのかもしれません
あとは家族用に夏酒などを買いましたが、水が綺麗だね!すっきりうまかった!
見てもよし、登ってもよしな富士山。
やりたいことをやりきれたので、これにておしまいです。




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